ポルカ「観光列車」管弦楽編曲(シュトラウス二世)

ロジェストヴェンスキー指揮/ソビエト国立文化省交響楽団

1982.04.10/Live Brilliant

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ヨハン・シュトラウス2世のポルカ「観光列車」のオーケストレーション。この録音はロジェヴェンの独壇場。特にこのソビ文とのライブは格別で、ニュー・イヤー・コンサートで聴かれるようなシュトラウス家の音楽とは一線を画したショスタコーヴィチ流のポルカに仕上がっている。ワイワイと楽しめる演奏であればロジェヴェンの持ち味が最大限に発揮されたBBC盤を推すが、80年代前半のソ連サウンドが炸裂する当盤こそ、ショスタコーヴィチらしい魅力にあふれていると言えるだろう。甲乙付け難い名盤。凄まじい勢いで駆け抜ける1分56秒。

ロジェストヴェンスキー指揮/BBC交響楽団

1981.08.14/Live BBC

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BBCプロムスのアンコールから。ロジェストヴェンスキーのライブは本当に面白い。我が国では読響との数々の名演があるが、ヨーロッパでの屋外コンサートの映像などを見ると、演奏者と客席の一体感に、音楽の面白さを心底感じることができる。当盤はロジェヴェンのライブの楽しさを存分に味わえる一枚。終演後間もなくの拍手に観客からの興奮と支持を聴くことができる。特にこうしたアンコールでは、ロジェヴェンは曲の終わりと同時に客席を振り向いて、ホール一体となって「ジャン!」と締めくくるようなエンターテイメントな指揮者。客席ノイズも拍手もブラボーも大歓迎で、大盛り上がりのライブ。ここに集った人々はきっと幸せだったに違いない。力量あるBBCの演奏は抜群で、パンパンと決まるタンバリンが格好良い。

ロジェストヴェンスキー指揮/モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団

1979 BMG/Melodiya

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ややゆったりとしたテンポで、「タヒチ・トロット」のような軽音楽風の可愛らしいイメージ。モスクワ・フィルの安定感ある演奏が素晴らしい。明らかにヨハン・シュトラウスのサウンドではないものの、シュトラウス系のポルカっぽく聴こえるのはさすが。

カエターニ指揮/メルボルン交響楽団

2005.08.20,22/Live ABC

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交響曲第11番、ジャズ組曲第1番と共に収められた「観光列車」。この曲はロジェヴェンばかり聴いてしまうことになるので、カエターニ盤は貴重かつ上記のロシア臭い演奏とは異なる爽やかなサウンドがとても新鮮。ショスタコーヴィチのバレエ組曲やジャズ組曲に共通する括りの軽音楽系の響きが魅力的で、サウンドは豊かで美しく、一方でどこか場末なチープ感も残している。どうしてシュトラウスがこうなるんだ?というショスタコーヴィチ編曲の妙を味わうことができる。