ノヴォロシースクの鐘の音楽

アシュケナージ指揮/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団

1992.04 Decca

('◎')('◎')('◎')('◎')('◎')

アシュケナージの名盤、交響曲第8番と共に収められたノヴォロシースクの鐘。このディスクは、1曲目に「スターリングラード戦の英霊に捧げる葬送と勝利の前奏曲」、2曲目に交響曲第8番、そしてノヴォロシースクという順番になっており、まるで一つの巨大なコンサートを聴いたような体験となる一枚。1943年の国歌コンクールに参加した際のショスタコーヴィチの作品「国歌」から冒頭の旋律を引用している。アシュケナージ盤は、ロイヤル・フィルのパリパリとした明瞭で壮大な響きで、ソ連サウンドとは異なるものの高揚感に満ちた演奏になっている。なお、ロシア語からの日本語の表記としては、とりあえず「ノヴォロシースク」として表記しておく。

バティス指揮/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団

録音年不詳 El Disco Cultura

('◎')('◎')('◎')('◎')('◎')

録音年不詳だが1990年らしいので、アシュケナージ盤と近い時期の同じオーケストラによる貴重な録音(ただでさえ録音が少ないのに)。バティスの尖ったパリッとキラキラしたサウンドが良い。3分に満たない短い曲ではあるものの、金管の煌めきと共にとても逞しく美しい演奏になっている。

クチャル指揮/ウクライナ国立交響楽団

2001.06.01-08 Brilliant

('◎')('◎')('◎')('◎')

クチャルの3枚組管弦楽曲集から。よくぞこの曲を取り上げてくれたと思わずにはいられない。演奏も立派でスタンダードなもの。まったくもって不足はないが、オーケストラの響きがやや地味なので、ロイヤルなアシュケナージやバティスをまずはお薦めしたい。