バレエ音楽「黄金時代」作品22/22a
M.ショスタコーヴィチ指揮/ボリショイ劇場管弦楽団
1966.07 BMG/Melodiya
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これだー!このサウンドだー!ということで、マクシムとボリショイ劇場管が同曲の決定盤であろう。我々が期待する全てが詰まっている。強烈な管楽器、遊びの効いた弦楽器、言わずもがなの打楽器。抜群のテンポ感。大袈裟な表現も徹底されており、これはもう素晴らしいとしか言いようがない。そしてこの「黄金時代」の主役は木琴と言って差し支えなかろうが、楔を打つような木琴の鋭い音色とテンポ、リズムには感動を覚える。理想的なショスタコーヴィチの木琴がここにある。BMGからの2枚組で、強烈な映画音楽、バレエ音楽を聴くことができる。BMGはロジェヴェンとマクシムの交響曲以外のメロディヤ録音を多数CD化してくれている。まとめて聴くことができるのは嬉しい。当盤とロジェヴェン全集とヴォートカがあったら、自宅のオーディオ部屋からもう出てこられなくなる。
N.ヤルヴィ指揮/エーテボリ交響楽団
1989.12 Deutsche Grammophon
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安心して聴くことのできる我らがヤルヴィ(速いけど)。実のところ、これといった特徴もないのだが、カタログ的な紹介に留まらず、豊かなショスタコーヴィチの音楽世界を表現している。タイトルの「黄金時代」は、架空の西側某国で開催中の博覧会の名前で、そこにソ連のサッカーチームが招かれ、ファシストの陰謀を防ぐという当時のソ連らしい内容。ショスタコーヴィチは大のサッカー好きで知られ、審判の資格も取得していたとか。そんな愛着ゆえかどこか可愛らしい響きもあり、あまり難しいことは考えず、このバレエに音楽を付けたショスタコーヴィチのサウンドを楽しみたい。
クチャル指揮/ウクライナ国立交響楽団
2001.06.01-08 Brilliant
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クチャルの管弦楽曲集から。何度聴いても素晴らしいディスクで、気合の入ったオーケストラとテンポ感が心地良い。交響曲の録音はしていないようだが、管弦楽曲を多数残しているクチャルとウクライナ響のアプローチにはいずれも深く共感する。しかしわずか1週間程度で10曲もの管弦楽作品を収めたとは驚かされる。それゆえにいずれの曲にもブレなくクチャルの解釈が見て取れる。「ショスタコーヴィチって面白いよね」とワクワクするような録音の数々に感謝。クラシック音楽は、しかめっ面で神妙に聴くものでもなく、本来、エンターテイメントだと思う。
M.ショスタコーヴィチ指揮/プラハ交響楽団
1996.11.14/Live Supraphon
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ボリショイ劇場管との名盤を残しているマクシムだが、96年にプラハ響とも録音。旧盤と比べると面白さには欠けるが、落ち着いた演奏でじっくりと聴かせてくれる。第2曲アダージョはどこかもの悲しい切なさが漂っており、プラハ響のサウンドがよく合っている。
キタエンコ指揮/MDR交響楽団
2005.05.17-20 Capriccio
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重めのテンポとSACDの深みのある録音で、「黄金時代」の見知らぬ側面を見せてくれる。キタエンコの全集の延長にある管弦楽曲集(ボルト、黄金時代、司祭と下男バルダの3曲を収録)で、今後も続けてほしい。曲の解釈には統一性があり、キタエンコの世界観を作っている。MDR交響楽団は、ライプツィヒ放送交響楽団の東西ドイツ統一後の名称。
ハイティンク指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
1979.11.12-14 Tower Records/Decca
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どこか悲壮感のある音色が「黄金時代」らしくなくて、遊びがない感じが実にこの全集らしい。主役なのに冴えない木琴はどうしたものかと思うが、全体的にはやはりオーケストラの力がある。
リンドン=ジー指揮/ニュージーランド交響楽団
1994.1102-04 Naxos
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名を知られていない指揮者やオケの場合、録音のアドヴァンテージは必須と思っていたが、意外と1994年と古い中(?94年が古い?)、実に堅実で燃焼度の高い演奏。前のめりで木琴もタンバリンも素晴らしく、バシャバシャと節操なく鳴るスネアも面白い。当盤のメインであるピアノ協奏曲よりも存在感のある「黄金時代」である。